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Rodinal 希釈まとめ(1+25・1+50・保存期間・R09との違い)

初出 データ確認

図1:この記事に関係する組合せの現像時間(12件)
現像時間(分)Adox ORT 25Rodinal / 1+25 / EI25 / 20℃4分Adox Scala 50Rodinal / 1+25 / EI50 / 22℃10分Agfa Aviphot ASP 400 SRodinal / 1+50 / EI200 / 20℃11分Agfa Cinerex IC1NRodinal / 1+50 / EI50 / 20℃4.5分Agfa Cinerex IC1NRodinal / 1+50 / EI100 / 20℃5.5分Arista Ortho LithoRodinal / 1+100 / EI6 / 20℃3分BCG P-400Rodinal / 1+50 / EI400 / 20℃13分Fabfilm BU-400Rodinal / 1+25 / EI200 / 20℃12分Fabfilm BU-400Rodinal / 1+50 / EI400 / 20℃22分FilmNeverDie KURO 100Rodinal / 1+50 / EI100 / 20℃8.5分FT-12Rodinal / 1+100 / EI50 / 20℃45分Ilford Surveillance P3Rodinal / 1+50 / EI400 / 20℃14分
カルテに入っている一次資料の値をそのまま棒の長さにした図。数字は元の表記のまま(範囲や複数値はそのまま出す)。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図2:希釈 1+50 の体積比
希釈 1+50原液 1 : 水 50(この記事のデータで 10 件)全量を 51 とすると、原液は 1/51(2%)例:仕上がり 600mL なら 原液 11.8mL + 水 588.2mL比率1:50
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。

Rodinalは薄めるほど時間が延びる、一発使い切りの現像液です。Ilford公式の技術資料では、自社フィルムHP5 Plusとの組み合わせで1+25なら6分、1+50なら11分(EI400/27・20℃)。これは他社(Ilford)が自社データシートに載せている値なので公式として扱えます。一方でKodak Tri-X×Rodinalの13〜14分は、Kodak自身が試験・公表していない組み合わせなので、参考値として区別します。

Adox RODINAL
Adox RODINAL.jpg(Wikimedia Commons)/撮影: Mirko Böddecker/ライセンス: CC BY-SA 4.0(無改変で使用)

RodinalとR09の違い

現在「Rodinal」の名称で製造しているのはドイツのAdoxだけです。Rodinal自体の起源は古く、Adoxの説明では1891年にベルリンのMomme Andresenが作った現像液がそのルーツとされています。他社が出している「R09」などは同じ系譜の現像液ですが、Adoxは公式ページで「R09/APH09と比べてRodinalの方が粒状性が細かい」と説明しており、「Rodinal」を名乗れるのはAdox製品という位置づけです。R09が具体的にどの時代の処方を引き継いでいるかまでは、Adox公式ページでは確認できませんでした。

出典:Adox公式 https://www.adox.de/adox-film-developer/rodinal-adonal/ 。確認日:2026-07-22。

希釈と現像時間

フィルム 希釈 20℃の時間 区分
Ilford HP5 Plus(EI400/27) 1+25 6分 公式(Ilford)
Ilford HP5 Plus(EI400/27) 1+50 11分 公式(Ilford)
Kodak Tri-X 400 1+50 13〜14分(幅あり) メーカー非公式・参考値

出典:Ilford公式HP5 Plus技術資料 https://www.ilfordphoto.com/amfile/file/download/file/1903/product/691/ 。確認日:2026-07-22。Tri-X×Rodinalの参考値はMassive Dev Chart集計 https://www.digitaltruth.com/devchart.php?Developer=Rodinal 、silversalt-plus.com/TT、旧Agfa資料の集計、確認日2026-07-22。

Ilfordの行を「公式」としているのは、Ilfordが自社の技術資料に他社現像液(Agfa由来のRodinal)の現像時間を明記して発行しているからです。自社フィルムとの組み合わせについて、フィルムメーカー自身が数字を出している以上、これは一次資料として扱えます。一方でKodakはTri-XとRodinalの組み合わせを試験・公表していないので、同じ「Rodinal」でもフィルムが変われば出典の強さが変わる、という点は分けて見る必要があります。

推奨希釈と最少原液量

項目
推奨希釈幅 1+25〜1+500
35mm/120フィルム1本あたりの最少原液量 5ml以上
再使用 不可(一発使い切り)

出典:Adox公式 https://www.adox.de/adox-film-developer/rodinal-adonal/ 。確認日:2026-07-22。

原液5mlというのは驚くほど少なく感じますが、Rodinalが「薄めて使う」設計の現像液だからです。1+100を超えるような超希釈でも現像自体は成立しますが、時間はその分長くなります。この記事では確認できているIlford公式の1+25・1+50の2点のみを載せていて、それ以外の希釈(1+100など)の具体的な時間は、この記事の時点では公式データとして確認できていません。

撹拌方法の違い(IlfordとKodak)

Rodinal系は撹拌の流儀がフィルムメーカー・現像液メーカーによって書き方が違います。よく参照される2つの型を並べます。

方式 手順
Ilford式(Ilford公式資料の記載) 最初の10秒間に4回転倒撹拌。以後は毎分の最初の10秒間に4回転倒撹拌。
Kodak式(D-76・Tri-X向けにKodakが指定) 最初の5秒で5〜7サイクル撹拌。以後は30秒ごとに撹拌。

出典:Ilford式=Ilford公式HP5 Plus技術資料 https://www.ilfordphoto.com/amfile/file/download/file/1903/product/691/ 。Kodak式=Kodak J-78 https://business.kodakmoments.com/sites/default/files/wysiwyg/pro/chemistry/j78.pdf 。確認日:2026-07-22(Kodak式の詳しい早見表はTri-X 400の現像時間まとめにも載せています)。

どちらが「正しい」というより、そのフィルム・現像液の組み合わせを発行しているメーカーの指示に合わせるのが筋です。Rodinalを使うときは、フィルム側がIlfordならIlford式、というように出典元の手順を優先するのが安全だと思います。

保存期間について

Rodinal自体は原液の状態では保存性が高いことで知られていますが、この記事で一次資料から確認できたのは「希釈後は一発使い切り(再使用不可)」という点までです。原液の具体的な保存可能期間(何ヶ月・何年といった数字)は、Adox公式ページの範囲では明確な期間の記載を確認できていません。ここは「要確認」として正直に書いておきます。

目安であることについて

現像時間・希釈は液温・撹拌・フィルムのロットで変わります。特にメーカー非公式の組み合わせ(Tri-X×Rodinalなど)は幅があるまま載せているので、大事なコマの前には必ず自分の環境でテスト現像してください。現像は自己責任です。薬品の取り扱いは各製品の安全データシート(SDS)に従ってください。

データを図で見る

下の図は全部、うちのカルテに入っている一次資料の値だけを描き直したもの(新しい数字は作っていない)。実写の作例は出していない=写りの評価はしない方針。

図:同じフィルムでも現像液で何分変わるか(最短〜最長)
0分5.5分11分16.5分22分Agfa Cinerex IC1N4.5–6.5分Fabfilm BU-40012–22分
青が最短、オレンジが最長。2件以上のデータが在るフィルムだけを出している。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:現像液ごとの現像時間の幅(最短〜最長)
0分11.3分22.5分33.8分45分Rodinal3–45分
同じ現像液でもフィルムと希釈で幅が出る。2件以上在る現像液だけ。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:希釈 1+50 の体積比
希釈 1+50原液 1 : 水 50(この記事のデータで 10 件)全量を 51 とすると、原液は 1/51(2%)例:仕上がり 600mL なら 原液 11.8mL + 水 588.2mL比率1:50
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。
図:希釈 1+25 の体積比
希釈 1+25原液 1 : 水 25(この記事のデータで 4 件)全量を 26 とすると、原液は 1/26(3.8%)例:仕上がり 600mL なら 原液 23.1mL + 水 576.9mL比率1:25
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。
図:希釈 1+100 の体積比
希釈 1+100原液 1 : 水 100(この記事のデータで 3 件)全量を 101 とすると、原液は 1/101(1%)例:仕上がり 600mL なら 原液 5.9mL + 水 594.1mL比率1:100
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。
図:この記事に関係するデータのフィルム別の件数
件数Agfa Cinerex IC1N3 件Fabfilm BU-4002 件Adox ORT 251 件Adox Scala 501 件Agfa Aviphot ASP 400 S1 件Arista Ortho Litho1 件BCG P-4001 件FilmNeverDie KURO 1001 件FT-121 件Ilford Surveillance P31 件
件数はデータの厚みで、良し悪しではない。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:液温ごとの件数(どの温度で書かれているか)
件数20℃16 件22℃1 件
資料が20℃で書かれているのか他の温度なのかは、そのまま読者の作業条件になる。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:この記事のデータの現像時間の分布
件数5分未満3 件5〜8分3 件8〜11分2 件11〜15分5 件15〜20分1 件20分以上3 件
分の数値が取れた行だけを数えている。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:モノクロ現像の工程の並び
1前浴水(省く処方もある)2現像液温と時間が結果を決める3停止停止液または水4定着ハイポ/急速定着5水洗流水または交換法6乾燥水切り剤ののち吊る
工程の順番だけの自作図。時間と液温は薬品ごとに違うので数値は書いていない。
図:現像タンクの断面(どこに何が入るか)
遮光された注液口(明室で液を出し入れできる)蓋(撹拌のとき外れないか毎回確認)リール=フィルムを巻く溝液(リールが完全に浸る量まで)タンク本体撹拌=反転
位置関係だけの自作図。容量や寸法は製品ごとに違うので入れていない。
図:サイト全体でデータが多い現像液(上位10)
件数510-Pyro99 件D-7669 件Acufine65 件HC-11042 件Acurol-N35 件ID-1130 件ACU-128 件Adox HR-DEV28 件Atomal 4927 件Eco Pro21 件
うちのDBの厚みの偏り。少ない現像液は資料が取れていないという意味で、良し悪しではない。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:サイト全体でデータが多いフィルム(上位10)
件数Adox CHS 10048 件Adox CHS 2540 件Fomapan 10031 件Adox CHS 100 II30 件AgfaPhoto APX 10029 件Arista EDU Ultra 10024 件Ilford HP5+22 件AgfaPhoto APX 40021 件Adox Silvermax19 件Fomapan 40019 件
同じくDBの厚み。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:希釈の表記の分布(サイト全体・上位8)
件数stock327 件1+1102 件1+10099 件1+983 件1+5048 件1+333 件1+1030 件1+1928 件
どの希釈で資料が書かれているかの分布。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27
図:この記事の図の元になっているDBの規模
件数現像時間の行(組合せ)1165 行フィルム(乳剤)の点数176 点現像液の点数162 点希釈の表記の種類80 種
数えただけの図。英語の Massive Dev Chart(18,000件超)にはまだ遠い=どこまで在るかを隠さずに出す。出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com確認日 2026-07-27

図の元データは現像時間の一覧に全部載せている(絞り込みできる表)。値の取り違えを見つけたら出典のリンクから原文を確かめてほしい。

よくある質問

QRodinalとR09は同じものですか
A

現在「Rodinal」の名称で製造しているのはAdox(ドイツ)だけです。R09などの名称で他社が出している現像液は同じ系譜のものですが、Adoxは公式ページで「R09/APH09よりRodinalの方が粒状性が細かい」と説明し、自社製品だけがRodinalだという立場をとっています。R09が具体的にどの時代の処方を引き継いでいるかまでは、Adox公式ページでは確認できませんでした。

QRodinalは薄めた後どのくらい保存できますか
A

Rodinalは希釈したら一度使い切りで、保存・再使用はできません。原液のまま保存し、使うたびに必要量だけ希釈するのが前提の現像液です。

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