イルフォテック DD-X と ID-11 の違い|HP5 PLUSの公式現像時間で比較
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結論(先に)
手元にHP5 PLUSが1本あって、今夜これを20℃で通すなら、公式データはこう出ています。
時間を最短で切り上げたい → ID-11 Stock(原液)で7.5分(ILFORD公式HP5 PLUS表・確認日2026-08-22)。
液体で計量を簡単にしたい → DD-Xを1+4に希釈して9分(同表)。
粉末の希釈を薄めて使い回したい → ID-11を1+1に希釈して13分(同表)。
どれも数分の差で、劇的な違いではありません。DD-Xは液体、ID-11は粉末という形状の違いのほうが、実際の運用では効いてきます。
データ表(HP5 PLUS・20℃・出典: ILFORD公式)
表の出典はいずれも同一ページ(ILFORD公式 HP5 PLUS Technical Specification表)です。液温・希釈・時間の3点セットで読んでください。単独の時間だけを覚えても、条件が変われば答えは別物になります。
出所: Wikimedia Commons
選び方
希釈が濃いほど時間は短くなりますが、その分1回の使用量に対する調整の幅が狭くなります。ID-11のStockは7.5分と短時間で済む一方、液を薄めて量を伸ばしたい場合は1+1で13分に延びます。DD-Xは1+4の1択で、希釈を変えて時間を調整する運用は公式表には出てきません。
粉末か液体かも実務上の分かれ目です。ID-11は粉末なので溶解の手間がありますが、未開封なら保存が利きます。DD-Xは液体濃縮で計量は楽ですが、1+4は使い切り前提です。
DD-Xの公表値(軸ごとの本文)
DD-Xは液体濃縮の微粒子現像液です。ILFORD公式のILFOTEC DD-X製品ページ(確認日2026-08-22)によると、1+4に希釈して使い切りで使う設計で、推奨現像温度は20℃です。
HP5 PLUSでの実際の時間は、同じくILFORD公式のHP5 PLUS製品ページのTechnical Specification表(確認日2026-08-22)に「ILFOTEC DDX 1 + 4 9」とあり、1+4希釈・9分と読み取れます。この表はDD-Xだけでなく他の現像液もまとめて掲載していますが、DD-Xの行だけを見れば条件は揃っています。
HP5 PLUSページには「CHOOSING THE BEST ILFORD DEVELOPER」という公式の区分表もあります。ここには行が別に分かれています。高感度域の「Best overall image quality」行ではDD-X(Liquid)が挙げられ、これとは別の「Maximum Film Speed」という行にもDD-X(Liquid)とMICROPHEN(Powder・Stock)が挙げられています。増感を前提にした運用で候補に挙がる現像液、という位置づけです。ただしこの区分は公式の分類であって、僕自身が増感して現像した結果ではありません。
ID-11の公表値(軸ごとの本文)
ID-11は粉末の汎用微粒子現像液です。ILFORD公式のID-11製品ページ(確認日2026-08-22)によると、1L・5Lの溶解用で販売され、未開封の粉末は冷暗所で保存できます。
HP5 PLUSでの時間は、同じくHP5 PLUS製品ページのTechnical Specification表に「ID11 Stock 7 ½」「ID1 1 1 + 1 13」とあり、Stock(原液)で7.5分、1+1希釈で13分です。分数表記の「7 ½」は7.5分として扱いました。
「CHOOSING THE BEST ILFORD DEVELOPER」の区分表では、「Best overall image quality」行のEI400/27とEI800/30にID-11(Stock)が挙げられています。ただし「Maximum Film Speed」行には出てきません。増感重視ならDD-XやMICROPHENが公式の候補として挙げられており、ID-11は標準〜中感度域での高画質重視という位置づけです。
確かめ方と未評価
✅確認した公表値と確認日:DD-XのHP5 PLUS 1+4・9分、ID-11のHP5 PLUS Stock・7.5分/1+1・13分(いずれもILFORD公式 https://www.ilfordphoto.com/hp5-plus-35mm/ ・確認日2026-08-22)。DD-X・ID-11それぞれの製品仕様(液体/粉末・希釈方式)も同社公式ページで確認しました。
✅出どころ:全てILFORD公式ドメイン(ilfordphoto.com)のページで、他社の集約サイトの値は使っていません。
❌未評価:写り・粒状・シャープネス・階調の優劣は評価していません。僕は現像していないので、これらは判断できません。ILFORD公式ページには「Finest grain」「Maximum Sharpness」という区分表もありますが、それも公式の分類であって僕自身の実測ではありません。実際の仕上がりは公式データシートと、自分のタンクでの結果で確認してください。
🔄処方・データシートは改訂されうるものです。作業前に必ずILFORD公式ページで最新の値を確認してください。
確認日: 2026-08-22
データを図で見る 下の図は全部、うちのカルテに入っている一次資料の値だけを描き直したもの(新しい数字は作っていない)。実写の作例は出していない=写りの評価はしない方針。
図:同じフィルムでも現像液で何分変わるか(最短〜最長) 0分 5分 10分 15分 20分 Agfapan APX 100 9–20分 Adox CHS 100 7–10分 Adox CHS 100 II 6.5–9分 Adox CHS 25 5–9分 Kodak Aerocolor IV 2460 13.5–17分 Oriental Seagull 100 9–11.5分 Rollei Blackbird 6–10分 Street Candy ATM 400 8–9.5分
青が最短、オレンジが最長。2件以上のデータが在るフィルムだけを出している。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:現像液ごとの現像時間の幅(最短〜最長) 0分 7.5分 15分 22.5分 30分 ID-11 4.5–30分
同じ現像液でもフィルムと希釈で幅が出る。2件以上在る現像液だけ。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:希釈 stock の体積比 希釈 stock 原液のまま(希釈しない)(この記事のデータで 17 件) 原液 タンクに入れる液は全量が原液
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。 図:希釈 1+1 の体積比 希釈 1+1 原液 1 : 水 1(この記事のデータで 9 件) 原液 水 全量を 2 とすると、原液は 1/2(50%) 例:仕上がり 600mL なら 原液 300mL + 水 300mL 比率 1:1
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。 図:希釈 1+3 の体積比 希釈 1+3 原液 1 : 水 3(この記事のデータで 3 件) 原液 水 全量を 4 とすると、原液は 1/4(25%) 例:仕上がり 600mL なら 原液 150mL + 水 450mL 比率 1:3
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。 図:希釈 1+2 の体積比 希釈 1+2 原液 1 : 水 2(この記事のデータで 1 件) 原液 水 全量を 3 とすると、原液は 1/3(33.3%) 例:仕上がり 600mL なら 原液 200mL + 水 400mL 比率 1:2
表記の定義をそのまま図にしたもの(1+3=原液1に水3)。仕上がり量の例は比率からの割り算。 図:この記事に関係するデータのフィルム別の件数 件数 Agfapan APX 100 3 件 Adox CHS 100 2 件 Adox CHS 100 II 2 件 Adox CHS 25 2 件 Kodak Aerocolor IV 2460 2 件 Oriental Seagull 100 2 件 Rollei Blackbird 2 件 Street Candy ATM 400 2 件 Adox ORT 25 1 件 Agfa Cinerex IC1N 1 件
件数はデータの厚みで、良し悪しではない。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:液温ごとの件数(どの温度で書かれているか) 件数 20℃ 28 件 22℃ 1 件 28℃ 1 件
資料が20℃で書かれているのか他の温度なのかは、そのまま読者の作業条件になる。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:この記事のデータの現像時間の分布 件数 5分未満 1 件 5〜8分 8 件 8〜11分 12 件 11〜15分 6 件 15〜20分 1 件 20分以上 2 件
分の数値が取れた行だけを数えている。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:モノクロ現像の工程の並び 1 前浴 水(省く処方もある) 2 現像 液温と時間が結果を決める 3 停止 停止液または水 4 定着 ハイポ/急速定着 5 水洗 流水または交換法 6 乾燥 水切り剤ののち吊る 工程の順番だけの自作図。時間と液温は薬品ごとに違うので数値は書いていない。 図:現像タンクの断面(どこに何が入るか) 遮光された注液口(明室で液を出し入れできる) 蓋(撹拌のとき外れないか毎回確認) リール=フィルムを巻く溝 液(リールが完全に浸る量まで) タンク本体 撹拌=反転 位置関係だけの自作図。容量や寸法は製品ごとに違うので入れていない。 図:サイト全体でデータが多い現像液(上位10) 件数 510-Pyro 99 件 D-76 69 件 Acufine 65 件 HC-110 42 件 Acurol-N 35 件 ID-11 30 件 ACU-1 28 件 Adox HR-DEV 28 件 Atomal 49 27 件 Eco Pro 21 件
うちのDBの厚みの偏り。少ない現像液は資料が取れていないという意味で、良し悪しではない。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:サイト全体でデータが多いフィルム(上位10) 件数 Adox CHS 100 48 件 Adox CHS 25 40 件 Fomapan 100 31 件 Adox CHS 100 II 30 件 AgfaPhoto APX 100 29 件 Arista EDU Ultra 100 24 件 Ilford HP5+ 22 件 AgfaPhoto APX 400 21 件 Adox Silvermax 19 件 Fomapan 400 19 件
同じくDBの厚み。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:希釈の表記の分布(サイト全体・上位8) 件数 stock 327 件 1+1 102 件 1+100 99 件 1+9 83 件 1+50 48 件 1+3 33 件 1+10 30 件 1+19 28 件
どの希釈で資料が書かれているかの分布。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27 図:この記事の図の元になっているDBの規模 件数 現像時間の行(組合せ) 1165 行 フィルム(乳剤)の点数 176 点 現像液の点数 162 点 希釈の表記の種類 80 種
数えただけの図。英語の Massive Dev Chart(18,000件超)にはまだ遠い=どこまで在るかを隠さずに出す。 出典:digitaltruth.com / digitaltruth.com / digitaltruth.com 確認日 2026-07-27