ケントメア400の現像時間|ILFORD公式データシートの全14通り(20℃・2026-08-05確認)
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結論(先に)
20℃・スパイラルタンクなら、公式データシートに載っている時間はこれ。ID-11の原液で9:30、1+1で16:30、1+3で25:30。MICROPHENの原液は8:00。手元がKodak D-76なら原液9:30・1+1で14:00(D-76だけはILFORD純正ではない=データシートの「Non-ILFORD Developers」欄の値)。一番短いのはILFOTEC HC 1+15とLC29 1+9の4:30、一番長いのはD-76 1+3の28:00。
撹拌は最初の10秒で4回転倒、その後は毎分の最初の10秒で4回。連続撹拌(トレイ現像など)にするなら、この時間を最大15%短くする。どちらも同じデータシートに書いてある。
20℃の現像時間(全14通り・公式データシート B26)
| 現像液 | 希釈 | 20℃の時間 | 出所 |
|---|---|---|---|
| ILFOTEC HC | 1+15 | 4:30 | ILFORD公式データシート B26 |
| ILFOTEC LC29 | 1+9 | 4:30 | ILFORD公式データシート B26 |
| MICROPHEN | stock | 8:00 | ILFORD公式データシート B26 |
| ILFOTEC HC | 1+31 | 8:00 | ILFORD公式データシート B26 |
| ILFOTEC LC29 | 1+19 | 8:00 | ILFORD公式データシート B26 |
| ID-11 | stock | 9:30 | ILFORD公式データシート B26 |
| Kodak D-76 | stock | 9:30 | ILFORD公式データシート B26の Non-ILFORD Developers 欄 |
| ILFOTEC LC29 | 1+29 | 11:00 | ILFORD公式データシート B26 |
| ILFOTEC DD-X | 1+4 | 11:30 | ILFORD公式データシート B26 |
| Kodak D-76 | 1+1 | 14:00 | ILFORD公式データシート B26の Non-ILFORD Developers 欄 |
| MICROPHEN | 1+1 | 15:00 | ILFORD公式データシート B26 |
| ID-11 | 1+1 | 16:30 | ILFORD公式データシート B26 |
| ID-11 | 1+3 | 25:30 | ILFORD公式データシート B26 |
| Kodak D-76 | 1+3 | 28:00 | ILFORD公式データシート B26の Non-ILFORD Developers 欄 |
時間は原文の min:sec 表記のまま。同じ数字は公式の製品ページ側にも載っていて、そちらは「ID11 Stock 9.5」のように分の小数で書かれている(9:30=9.5分・同じ値)。
撹拌のしかた(ここを合わせないと時間だけ真似しても揃わない)
データシートの Agitation の項はこう書いてある。「スパイラルタンクでは最初の10秒でタンクを4回転倒させ、以降は各分の最初の10秒で再び4回転倒させる」。上の表の時間はこの断続撹拌(intermittent agitation)を前提にした値。
- 連続撹拌(トレイ現像や一部のタンク)にするなら 時間を最大15%短く
- 回転式プロセッサで前浴なしなら スパイラルタンクの時間から最大15%短く(前浴は推奨されていない=ムラの原因になると書かれている)
20℃以外の液温でどうするか
データシートは温度換算のグラフを持っていて、読み方の例が本文に書いてある。「20℃で4分が推奨なら、23℃では3分、16℃では6分」。これは読み方の例なので、自分の時間はデータシートのグラフで読むのが正しい。
1段増感(EI800/30)まで含めた表
同じデータシートには増感側の列もある。ISO感度はISO 400/27(データシートの EXPOSURE RATING の項)で、EI800/30まではメーカーが時間を公表している。
| 現像液 | 希釈 | EI400/27 | EI800/30(1段増感) |
|---|---|---|---|
| ILFOTEC HC | 1+15 | 4:30 | 6:30 |
| ILFOTEC LC29 | 1+9 | 4:30 | 6:30 |
| MICROPHEN | stock | 8:00 | 10:00 |
| ILFOTEC HC | 1+31 | 8:00 | 12:30 |
| ILFOTEC LC29 | 1+19 | 8:00 | 12:30 |
| ID-11 | stock | 9:30 | 13:00 |
| Kodak D-76 | stock | 9:30 | 12:30 |
| ILFOTEC DD-X | 1+4 | 11:30 | 13:00 |
| Kodak D-76 | 1+1 | 14:00 | 17:00 |
| MICROPHEN | 1+1 | 15:00 | 19:00 |
| ID-11 | 1+1 | 16:30 | 20:30 |
低感度側では PERCEPTOL 1+1 の 23:00 が EI320/26 の欄に載っている(EI400/27・EI800/30の欄は空欄)。ILFOSOL 3 の行は、今回取得したPDFのテキスト抽出では増感側の列が読み取り切れなかったので表に載せていない。
選び方
- 短い時間ほど温度と撹拌のズレが仕上がりに響くから、失敗を減らしたい人はID-11 stock 9:30やMICROPHEN stock 8:00のあたりを選ぶと扱いやすい。4:30の組み合わせ(ILFOTEC HC 1+15・LC29 1+9)は温度と撹拌のズレが仕上がりに出やすい。
- 薄めて余裕を持たせたいなら ID-11 の 1+1(16:30)か 1+3(25:30)。1+3は25:30と長いので、液温が落ちない環境かどうかで決まる。
- 手元がKodak D-76しかないなら使える。D-76 原液で9:30。ただしこれはILFORD側のデータシートの Non-ILFORD 欄の値で、Kodak Alaris側のD-76データシート(J-78)にケントメア400の記載は無い。出所の格が違うことは隠さないでおく。
- 1段上げて撮ったなら EI800/30 の列を見る。ID-11 stock 13:00、MICROPHEN stock 10:00。
現像液そのものの仕様は ID-11のカルテ・D-76のカルテ・Rodinalのカルテ にまとめてある。ケントメア400×Rodinalの公式時間は、ILFORD・ADOXどちらの公式ページにも見つけられなかったので、この記事では時間を出していない。
確かめ方と未評価
- 出所=ILFORD(HARMAN technology)の KENTMERE PAN 400 technical data sheet B26 と公式製品ページ。確認日 2026-08-05。上の数値は全部この2つの公表値で、僕が測った値ではない。
- 未評価=写り・粒状・階調・仕上がり。僕はこのフィルムを現像していないので、この記事では一切評価していない。
- 処方・データシートは改訂されうる。作業前に公式データシートで確認してほしい。